スポンサードリンク
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
轟音(ごうおん)となって響く「田中コール」に驚いた。白い風船がスタンドを埋め尽くす幻想的な風景に、「終わりが近づいてるんだな…」さまざまな思いが胸をよぎった。最後は坪井をフォークで空振り三振。今年最後のガッツポーズは控えめに決めた。「3つ連続で日本ハムさんと当たって、その前の2つは悔しい負け方をしていた。何としても勝ちたい気持ちで投げた」
丁寧に低めを突く投球で3者凡退のイニングを5度作り、リズムを作った。6回1死からの5者連続を含む13奪三振。9月26日の前回登板でサヨナラ打を許した坪井は4打席4三振に封じた。「(やり返したいという思いは)多少なりともありました」繊細さと迫力を見せて、9回を投げきった。
1年間ローテーションを守り、186回1/3の投球回は、あの松坂(現Rソックス)の1年目を超えた。名実ともに球史に残るルーキーだった。それでも「肉体的には5、6月。精神的には最近、勝ち星から遠ざかって苦しかった」と打ち明けた。山積する課題から逃げず、試行錯誤を繰り返して乗り越えた。「いろんな面で成長できた」と充実感を漂わせた。
10勝で並んでいた西武・岸を突き放し、新人王に大きく近づいた。「一生で1回なので、取れることを願っています」内容ある有終ピッチは、タイトルへ大きなインパクトとなったはずだ。
28試合の集大成を見せた投球に、野村監督も「神の子もついに自立しましたな。文句なく投手部門のMVPでしょう。間違いなく来年のエースになれる」と成長を認め、ねぎらった。
「来年はこの経験を生かして、スタートからつまずかないようにしっかりやっていきたい」ドラフトで仙台育英・佐藤は逃したが、田中がいる。怪物に、そう思わせる貫録が備わった。
参照元:スポーツ報知