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◆カブス3―4ブルワーズ(31日・シカゴ) 中日からFAでカブス入りした福留孝介外野手(30)が、衝撃デビューを飾った。ブルワーズとの開幕戦で「5番・右翼」に入り、9回の同点3ランを含む3打数3安打3打点。日本人選手のデビュー戦本塁打は04年松井稼(メッツ)、06年城島(マリナーズ)以来3人目。地元ファンからいきなりカーテンコールを受けた。延長10回、3―4で敗れたが、100年ぶりの世界一を目指すチームのキーマンの活躍に、ファンのボルテージは上がる一方だ。
完ぺきだった。福留のスイングは、06年、WBC準決勝の韓国戦で金炳賢から放った代打2ランを思い起こさせた。9回無死一、二塁。マウンドにはブ軍の新守護神・ガンエー。カウント1―3からシュート回転した148キロの直球をとらえた。打球はメジャー屈指の熱いファンが陣取る右中間席に飛び込んだ。淡々とダイヤモンドを回る背番号1に、地元ファンからの声援は鳴りやまず、福留は三塁側ベンチを飛び出し、右手でヘルメットを高々と掲げた。デビュー戦では日本人初の“カーテンコール”に応えた。
初練習となった前日は、シカゴの寒さに驚いた。この日も降り続く雨で開始が40分遅れ、3回にも約50分の中断があった。気温はわずか7度。だが、そんな寒さも吹き飛ばす活躍だった。
初打席で中越え二塁打、四球を挟んだ7回にも中前安打。9回のチャンスには総立ちのファンから声援を受けた。「彼は我々が対戦したオープン戦の時と全く違うアプローチで投手に対処していた」とブ軍・ヨスト監督。3月4日のオープン戦で唯一の本塁打を含む7打数4安打された新人にまたやられた。
しかし、こんな劇的アーチが飛び出しても勝てないのがカブスだ。延長10回、4番手・ハウリーが決勝点を許した。「やっぱりチームが勝たないと意味がなくなってしまう」福留の会見も沈んだものになった。
カブスの創立は1876年。しかし、世界一は1907、08年の2度だけ。シリーズ出場は45年が最後だ。そのシリーズにヤギを連れてきて観戦した男性が退場させられた。その男性が「二度と(本拠の)リグレー・フィールドでワールドシリーズを行えないようにしてやる」と呪いをかけた。それから、何度もあったリーグ優勝のチャンスをつぶし“ヤギの呪い”と言われるほど栄冠から遠ざかっている。
フロントはもちろん、現地メディアも、総額4800万ドル(約48億円)の4年契約で獲得した福留がその“呪い”を解く使者になるのでは、と期待している。オリックスのローズは、カブスの外野手として94年の開幕戦で、メジャー史上2人目(当時)の3本塁打を含む4打数4安打。それでも、8―12で敗れ、ヒーローの座を逃した。ローズは「2週間くらいは(1試合3発で)すごい騒ぎが続いたよ」と振り返ったが、その年も負けが込み、地区5位。ファンもローズの快挙を忘れてしまった。
アーニー・バックス、サミー・ソーサら多くのスラッガーもリーグ優勝に導けなかった。衝撃デビューの福留が、カブスの歴史を変える。
参照元:スポーツ報知