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◆第80回選抜高校野球大会第11日 聖望学園8―0平安(1日・甲子園) 聖望学園(埼玉)が平安(京都)を投打ともに圧倒、春夏通じて初の4強入りを果たした。最速147キロ右腕・大塚椋司(3年)が9回2死まで2安打無失点、11三振を奪う快投。この日「龍谷大平安」に校名変更した古豪を封じ、埼玉県勢では15年ぶりに準決勝へ進出した。千葉経大付(千葉)は長野日大(長野)を延長11回にサヨナラで下し、初の4強入り。序盤の7点リードも8回に追いつかれる死闘となったが、千葉県勢13年ぶりのベスト4となった。
野獣の目で、大塚がミットをにらんだ。食らえ―。6回2死満塁。カウント2―2からの5球目、重いボールが内角を突く。3番・山口篤史の打球は、力なく遊撃に打ち上げられた。ピンチ脱出だ。「このマウンドが、ようやく楽しくなってきた」破顔一笑、ベンチへ走った。
絶好調だ。鋭いカットボールが左打者のひざ元に決まった。「打たれる気がしなかった」最速141キロの直球も走り、5回まで完全に封じて10三振を奪った。6回先頭に遊撃内野安打を許したが、粘りの投球でスコアボードに0を刻んでいった。
完封目前の9回2死。岡本幹成監督(46)は経験を積ませるため、2番手右腕・石田直人へ継投を決断した。「いい舞台を、直人にも味わってもらいたい」と話した大塚は、2安打無失点11奪三振の数字を残し、笑顔でマウンドを降りた。宿舎では同部屋という仲間の晴れ舞台を心から喜んだ。
カットボールは「久慈賞男」直伝だ。今年2月。三菱自動車川崎の元投手で、72年の都市対抗で敢闘賞にあたる久慈賞に輝いた池田善吾さん(62)から握り方を教えてもらった。すぐマスターした17歳は「ただ者ではない」とうならせた。
実は試合前、「平安」に苦手意識があった。勉強にも一生懸命の大塚は、学年末試験の世界史で83点の高得点。だが、日本史は苦手だった。平安戦が決まった後「平安時代ってこんがらがって、よく分からないんです」とジョークを飛ばしていたが、見事に“難関”を突破した。
埼玉県勢15年ぶり、同校初の4強。勢いは止まらない。「ここまできたら優勝しかない。挑戦者の気持ちでいくだけ」センバツ初出場チームを引っ張るエースは、笑顔のまま頂点へ突っ走る。
参照元:スポーツ報知