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怪物が壁に挑む。レッドソックスの松坂大輔投手(27)が25日、日本人メジャーリーガーとして初めて日本開幕戦(対アスレチックス、東京D)に先発する。フランコーナ監督は24日の会見で継投策を明言。90球前後での降板を示唆したが、西武時代の06年にマークした106球の完投勝利を上回る省エネ投球を見せれば、途中降板も避けられる。日本のファンに最後まで雄姿を見せ、15日に誕生した長男へ贈るウイニングボールを自分の手でつかむ。
野茂以来、日本人2人目の開幕投手として立つ凱旋マウンド。日本のファンに無様な姿を見せるわけにはいかない。松坂はメジャーで恒例となっている登板前日会見をキャンセル。報道陣の質問も受け付けず、闘志を心の奥底に沈めて翌日の大舞台に備えた。
最大のテーマは「完投勝利」だ。前日は「長い時間みんなに見てもらえるように頑張りたい」とファンへの思いを口にした。15日には第2子となる長男が誕生。ボストンに残してきた倫世夫人ら家族にとっても、勝ち星は何よりのお土産になる。ファン、家族へささげるウイニングボールが自分の手でつかめれば、これ以上ないことだ。
意気込む松坂に立ちはだかるのは球数制限の壁。首脳陣は開幕が例年より1週間程度早いことを理由に90球程度の球数制限を設定。球数が限度にさしかかった場合、機械的に交代させる意向を示していた。
この日の会見でも、フランコーナ監督は改めて「明日無理することで8、9月に疲労が出るようにはしたくない。シーズンは長い。(松坂は)投げたがると思うが、きっちり(球数を)コントロールしていきたい」と言明。制限撤廃にOKサインを出さなかった。
松坂本人が制限の緩和、撤廃を訴えた際、監督からは「お前次第だ」と告げられた。球数を少なく、いいテンポで投げられれば、おのずと長いイニングを投げられる。省エネ投球をできるかどうかがカギだ、と指揮官は指摘した。
西武時代の松坂が完投勝利を挙げた際の球数は106球が最少。レッドソックス移籍後は124球での完投勝利が1度だけある。球数を抑えた上で一人で投げきってくれることになれば、首脳陣にも文句はない。キャンプで精度を高めることに努めたツーシーム、チェンジアップを有効的に使い、早いカウントで打たせて取れれば、完投も現実味を帯びてくる。
練習前のミーティングではフランコーナ監督が「我々が熱狂的なファンに支えられているのは、きっちりした野球をしているからだ」と語りかけた。背番号18はその言葉に大事な役割を任されていることを再認識した。与えられた重責を見つめ直し、気持ちは臨戦モードに入った。
この日はキャッチボール、ダッシュなどで軽めの調整。「調子はいいと聞いています」というアスレチックス打線封じのイメージを膨らませた。東京ドームでは通算8勝2敗、防御率2・44と相性がいい。プロデビューを飾った地で怪物が再び躍動する。
◆四球で粘るアスレチックスは難敵
対するアスレチックスは98年就任のビーンGMのもと、出塁率や長打率を重視して補強戦略をとってきた。エンドラン成功などの偶然性を排除し、攻撃では「いかにアウトを取られないか」というコンセプトをチームに浸透させ、過去8シーズンで5度プレーオフ出場を果たした。
昨季の成績で目を引くのは四球の多さだ。664四球は、オーティズやラミレスら屈指の強打者がそろうRソックスの689に次いでリーグ2位。チーム打率2割5分6厘は同13位だが、四球が多かったことで出塁率は6位になっている。23日の阪神戦でも8四球を選んだ。早打ちせずにじっくりと見ていく打線だけに、松坂が少ない球数で完投するには難敵と言えそうだ。
参照元:スポーツ報知