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延長11回2死満塁のピンチ、ヤ軍の4番手右腕・ビスカイーノが打たれた。右中間へサヨナラ安打を放ったハフナーが、イ軍ナインの歓喜の輪の中に埋もれた。そのグラウンドには、イ軍に勝利を呼び寄せ、ヤ軍にとっては予想外の“敵”となった虫が群れを作っていた。
突如グラウンドにイ軍の“援軍”がやって来たのは、ヤ軍が1―0で迎えた8回表。2死無走者でミンケイビッチが打席に立った時だった。「ネクストバッターズサークルに立っていた時は気にならなかったけど…。打席に立った瞬間、いきなり目の前、鼻にも、首にもまとわりついて」二ゴロ。邪魔をしたのは「カナディアンソルジャー」。体長1センチにも満たない虫だった。
その裏、前の回に1死一、二塁のピンチをしのいだヤ軍の新人リリーフエース、チェンバレンが、虫に“やられた”。何度かタイムをかけて防虫スプレーを体に吹きかけても、虫は大群で視界をさえぎり、体にもまとわりついた。制球力を失い、四球と暴投で2死三塁のピンチを背負い、暴投で同点とされた。
その後も虫はグラウンド上を飛び交ったが、終わってみれば、その8回裏が最悪の状態だった。「こんなこと初めてだから、なんと言ったらいいか…」とトーレ監督。中断を申し出る考えが浮かばなかった。主将・ジーターも「こんな経験初めて…。相手本拠地の利かな」と苦笑いするしかなかった。
指揮官からの信頼を受けて、この日「5番」に座った松井だったが、3打数無安打1四球。1度もバットの芯でとらえられなかった。「これまでで一番良かったんじゃないですか」チームが3安打に抑えられた相手先発・カーモナをほめるしかなかった。まさかの連敗。7日に敗れれば今季が終了する。「(次に)負けたら、終わりですから。とにかく、勝ちたい」プレーオフ無安打の背番号55に、逃げ場はなくなった。
[ナンダ?]◆カナディアンソルジャー(Canadian Soldier) 淡水で生きる水生昆虫、カゲロウの一種で、米オハイオ州に多く生息している。成虫でも数時間から数日と短命。本来なら6月中旬から7月上旬に発生する。イ軍の本拠地、ジェイコブズ・フィールドは五大湖の1つ、エリー湖に近いこと、また9月終わりには最低気温12度だった当地が、この日は最高29度、最低でも21度と急に暖かくなり、異常発生したと見られている。加えて明るい照明も手伝って、大量に場内へ集まってきたようだ。04年9月のエンゼルス戦では、試合が数回中断した。
参照元:スポーツ報知