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駆け足で階段を上がった。G球場のグラウンドから室内練習場まで続く約50段。李承ヨプは軽やかにダッシュして登り切った。「下半身をしっかり使ったスイングを作っていきたい。シーズン中は、あまりできていなかったので。とにかく練習、練習です」息を切らすこともなく、4番打者は平然と言った。
CS第1ステージの中日―阪神戦の勝者と、日本シリーズへの切符を懸け、18日から第2ステージで激突する。12日間ある準備期間の初日を、李は静かにスタートさせた。全体でのウオーミングアップの後、軸回転を意識したティー打撃で汗を流し、フリー打撃ではゆっくりとしたボールを柔らかく打ち返した。一塁でノックも受け、実戦感覚を養った。
ビッグゲームまでのテーマは、打率3割2分3厘、41本塁打を記録した「06年型打法」を少しずつ取り戻していくことだ。今季は、昨オフに手術した左ひざと、左手親指付け根の炎症によって年間を通して打撃フォームが一定せず、打率は2割7分4厘、本塁打は30本まで落ちた。しかし、決戦前の準備期間を利用して、『スイングスピード インパクトでのパワー 下半身の土台』が三位一体となった、本来のスイングを復活させる考えだ。
バッティングのコンディション自体は上々だ。優勝を左右した最後の5試合では計18打数7安打、打率3割8分9厘、3本塁打、6打点と爆発してV奪回に大きく貢献した。それだけに、内田打撃コーチは「オレは楽しみにしてるよ。終盤、小笠原が(目の前で)敬遠された後に打ったり。状態は上がっているし、モチベーションも高いでしょう」と期待を寄せる。
もともと短期決戦には強い。ロッテ時代、日本一に輝いた05年の日本シリーズでは阪神を相手に計11打数6安打、打率5割8分3厘、3本塁打、6打点で優秀選手賞に輝いている。さらに翌年、韓国代表として出場したWBCでは5本塁打、10打点で2冠王と大会ベストナインを獲得。日本を抑えての1次、2次リーグトップと母国をベスト4に導いた。
大一番での強さについて、李は語る。「なんででしょうか…。集中力が高まって…。いや、やっぱり分かりません。それだけは、どうしても分かりません」竜虎のいずれかと真の勝者を決める大舞台。李自身も理解不能なパワーがバットに宿った時、巨人は日本シリーズへと近づいていく。
参照元:スポーツ報知