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◆横浜3―3巨人=延長12回規定により引き分け=(8日、横浜) 19歳のニュースターが2戦連発だ。売り出し中の坂本が5回、同点としてなお1死二塁でチームの天敵・土肥から左越えへ2号2ラン。6日の阪神戦(東京D)でセ界最年少満塁弾を放ったのに続く一発でベンチを盛り上げた。延長10回には右前へ運び、3試合連続のマルチ安打。打線を引っ張る存在になりつつあるが、チームは大事な場面で細かいミスも重なり、延長12回ドロー。若手の作るいい流れに主力も乗っていきたい。
二塁ベースを回った瞬間、思わず声が出た。「よっしゃ!」坂本は腹の底から叫んだ。ただ、勝ちたいという純粋な気持ちが、ボールに乗り移った。「思いっきり振り抜いただけです」ベンチに戻っても、しばらく興奮は収まらなかった。
チームの流れを変えるはずの一発だった。同点の5回1死二塁。土肥のカウント2―2からの真ん中低め、134キロのシュートをすくい上げた。打球は雨を切り裂き、左翼席最前列で弾んだ。「レフトの頭は越えるなとは思いましたけど、まさか入るとは」一時は勝ち越しとなる2試合連続2号2ランが、G党を熱くさせた。
1軍生活に慣れたかに見えるが、体は重圧を正直に受け止めている。「キャンプの時は毎日4食、無理にでも食べたんですけど…」ナイターが終わり、寮に戻れば深夜零時近くになる。「朝は今までみたいに起きられないんです」と告白。疲れから睡魔には勝てず、朝食もきちんと取れないという。代わりに夜食を含めた3食、1食ずつの量を増やした。80キロになった体重を維持して力負けしない体をつくり、2戦連発につなげた。
6日にプロ初アーチを放ち、探していたボールも見つかった。友人からのおめでとうメールも30通以上届き、気をよくして臨んだこの日は延長10回1死でも右前打を放ち、3戦連続マルチ安打をマーク。原監督も「勝負強さを見せてくれている。リズムを変えるホームランだった。でも、つかの間だったな…」賛辞の言葉を並べようにも、自然と歯切れが悪くなった。
無理もない。若武者が変えた流れに、先輩たちがついていけない。延長10回、その坂本が出塁したが、木村拓がバント失敗。11回にも高橋由が安打し、代走・鈴木尚が二盗成功も、脇谷がバントミス。1死二塁からは、小笠原が三振し、三塁を狙った鈴木が憤死して最悪のゲッツー。ちらついた勝利は消え、引き分けるのが精いっぱいだった。
「どのプレー、このプレーとは言わないが、チームとしてスキがある」と指揮官は首をかしげた。「勝てれば最高でしたけど、接戦で負けなかったことが大きいですよね」帰り際の坂本の言葉がせめてもの救いだ。開幕から4カード連続で初戦に白星なし。依然、最下位と厳しい状況が続く今こそ、前向きにファイティングポーズをとるしかない。
参照元:スポーツ報知