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◆西武4x―3ロッテ(8日・西武ドーム) 白球はスライスを描きながら右翼ポールを巻いてスタンドへ飛び込んでいった。一斉に跳び上がり、大騒ぎするファン。G・G・佐藤がダイヤモンドを1周して本塁へかえってきたころには、選手、コーチが“ビールかけ”ならぬ“水かけ”を始めた。生涯初の逆転サヨナラGG弾。「マジうれしいです! 言っていいですか? キモティー!」。まるで優勝決定の瞬間のような光景が繰り広げられた。
9回、1死から中島が執念の二塁内野安打で出塁したが、4番ブラゼルが三振に倒れ2死。球場にあきらめムードが漂い始めた時に奇跡は起こった。「球種はなんかわかんないです。とにかくつなぐことだけ考えていた」。無我夢中で荻野の投じた5球目を打ち返した。「初めて終盤で逆転して1点差で勝てた。逆転サヨナラ。乗ってくるねえ」と渡辺監督。6連勝でガッチリ首位をキープ。V奪回を目指すチームにとっても価値ある一発だった。
今季は暗黒のスタートだった。契約更改交渉が難航して、キャンプは自費参加。12球団最後の保留選手となり、紅白戦に出場できなくなった。チームメートが実戦で試合勘を積んでいる間、ひとり黙々とウエートトレーニングに取り組んだ。涌井、岸が投げるブルペンで打席に入って、なんとか「生きた球」に触れようと努めた。実戦初めての試合は8番での出場。それでもオープン戦では結果を残し、レギュラーの座をつかんだ。
2か月前、「なんでこんなことになったのか…」とため息をついていた男が、フラッシュの放列の中で「GGコール」を浴びた。そんな喜びもつかの間、試合後は「ジムに早く行かないと閉まっちゃう!」と急ぎ足で球場を出て行った。
参照元:スポーツ報知