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こんな劇的なエンディングがあるだろうか。完ぺきに牛耳られていたマー君を、土壇場でうっちゃった。本拠地最終戦で決めた今季5度目のサヨナラ勝ち。ヘルメットを脱ぎ捨て、両拳を突き上げながら喜ぶ坪井を中心に、歓喜の輪が大きく広がる。ヒーローを目がけて、水やコーラがしぶきを上げた。
8回まで楽天・田中の前にわずか2安打。敗色濃厚の最終回、ヒルマン監督のマジックが輝きを放った。1死一塁。打者・稲葉が2ストライクと追い込まれてから、一塁走者・田中賢に「盗塁」のサインを出した。「田中の出来は良かったが、走者を進められる確信もあった」大ギャンブルは成功。マー君を揺さぶり、稲葉の同点二塁打を呼び込んだ。
そして、最後を飾ったのが、一度は地獄を見た男だった。セギノール敬遠後の1死一、二塁。代打・坪井が右前にはじき返した。代走・紺田が間一髪で本塁に滑り込み、ドラマは完結した。阪神時代の2000年8月25日の広島戦(甲子園)以来、自身2度目のサヨナラ打。公式戦では今季最初で最後となる本拠地のお立ち台に上った33歳は「超満員? 半分以上は(ダルビッシュ)有とマー君のファンでしょ? 僕は僕のことを応援してくれる80人のために打ちました」と大爆笑を誘った。
11か月前を思えば、夢のようだ。昨年10月28日。日本一を決めた2日後、坪井は戦力外通告を受けた。「人生断トツワースト」という悪夢で目の前が真っ暗になった。だからこそ「今の姿なんて想像できてないよ。優勝争いの前に、野球ができるかも分からなかった。すごく幸せですね」と喜びをかみしめた。
劇勝で連敗も止めたチームは、リーグ優勝マジックを5に減らした。坪井は「マジックは関係ない。連戦連勝して、一気に優勝を決めたい」とファンに約束した。最短Vは29日。残り6試合はすべてビジターだが、この勢いがあれば、場所なんて関係ない。
参照元:スポーツ報知