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 ◆ソフトバンク1―8日本ハム(16日、ヤフードーム) 日本ハム・ダルビッシュが、21歳の誕生日を自らの快投で祝った。立ち上がりから最速153キロを記録した直球を主体にソフトバンク打線を寄せ付けず、5回までパーフェクト投球。6回に不運な内野安打を浴び、大記録は逃したが、8回を投げて許した走者が1人だけという圧巻の内容で今季11勝目。敵地での首位攻防戦で3タテして、今季2度目の7連勝をマークしたチームは、2位とのゲーム差を今季最大の「5」に広げ、クライマックスシリーズ進出マジック「30」も点灯させた。

 思わず両手を大きく広げた。「おいっ!」無情なジャッジに、ダルビッシュは叫び声を上げた。「ファーストの近くで見てて、アウトだと思いましたよ」6回無死。1人の走者も許さずに迎えた打者16人目だった。松田の遊ゴロを大事に処理し過ぎた陽の送球が遅れ、判定は「セーフ」。大記録はこうして幻に終わった。

 それでも、エースは笑っていた。落ち込む陽に「これで早く降板できる口実ができたよ」と声をかけた。この日は、自身21歳の誕生日。年輪を1つ重ねた分だけ、気持ちにもゆとりがあった。右腕は、その後も気を緩めることなく、ソフトバンク打線をシャットアウト。大量援護のため、8回でマウンドを降りたが、許した走者はあの内野安打の1人だけだった。

 シナリオ通りの快投だった。初回、ダルビッシュが投げた直球は、自己最速タイ153キロを計測するなど、10球すべてが150キロ台。「最初は真っすぐがきてると思わせて、その後に(力を)抜こうと思った」6奪三振の序盤3イニングとは一転、2巡目以降は緩い変化球を交え、敵をまったく寄せ付けなかった。

 結局、10三振を奪い、今季7度目の2ケタ奪三振も記録して、11勝目。7月に入ってから、これで自身5連勝だ。この日も、降板後に右上腕の張りを訴えるなど「体調的にはあまり良くない」という。だが、その中でもコンディションづくりは怠らない。夏場を迎え、3食ともに食べる量を増やしたことで、体重85キロをキープ。また「この方が食が進むから」と夕食では、意識的にビールを飲む工夫も重ねている。

 誕生日を最高の形で飾ったエースは「自分自身でハッピーバースデー!です」と喜んだ。婚約相手の女優・サエコ(20)からのプレゼントを聞かれると「もらいましたけど、中身は言えないです」と首を振ったが、笑顔は絶えない。公私両面の充実ぶりを感じさせた。

 チームは、今季2度目の7連勝。02年以来のソフトバンク戦3連戦3連勝を決め、2位とのゲーム差は今季最大の「5」。4位・西武が敗れたことで、クライマックスシリーズ進出マジック「30」も点灯した。「これからも連勝を続けていきたい」21歳。まずは、その右腕で球団史上初の連覇をたぐり寄せる。

参照元:スポーツ報知

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