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野球人生最大の見せ場は9回にやってきた。5点差から一気に2点差まで追い上げ、なおも2死満塁。カウント2―1と追い込まれながら、気持ちで右前へ運んだ。値千金の同点適時打に東京ドームが揺れた。一塁側ベンチはお祭り騒ぎ。伏兵が土壇場で大仕事をやってのけた。
98年のドラフト3位で新発田農(新潟)から巨人入り。ドラフトの当日、初めてのサインを求められた時、緊張のあまり「巨人」を「臣人」と書いた。大型捕手として期待されたがファーム生活が続く。それでも地道に努力を続け、8年目の昨季、プロ初安打を記録した。「やるっきゃないっす」が口癖で、今でも休養日はG球場でマシン打撃で汗を流す。努力を続ける姿を現役時代から見続けてきた村田バッテリーコーチは「ようやった。打ったこと、うれしいよな。よう頑張った」と言葉を震わせた。
守備でも大きく貢献した。阿部に代わってマスクをかぶった7回から6つのゼロを並べた。いつもかわいがってくれる同期入団の上原に自信を持ってサインを出した。負ければペナントが遠のいたかもしれない試合。追い詰められたジャイアンツを救ったのは、仲間から親しみを込めて「カトケン」と呼ばれる男だった。
◆加藤 健(かとう・けん)1981年3月23日、新潟県生まれ。26歳。新発田農では98年春夏連続で甲子園に出場。98年のドラフト3位で巨人に入団。昨季は19試合に出場し、打率2割9分4厘とプロ入り後、最高成績を残した。186センチ、85キロ。右投右打。家族は妻と1女。血液型A。
◆滝鼻オーナー「大きかった」 観戦した巨人・滝鼻オーナーも、奇跡の逆転劇に興奮を隠せなかった。「やっぱり9回の裏だね。お立ち台は清水だったけど、カトケンが大きかった」と殊勲の同点打を放った加藤を絶賛。試合開始の2時間前から球場入りする気合を見せ、「ここのところ打撃陣が湿っていたから、ここで爆発しないと後に引きずると思って」と、攻撃時には立ち上がって観戦していたという。「1位通過はあきらめない。狙ってます」と語気を強めた。
参照元:スポーツ報知