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紙テープに彩られた右翼スタンドへ、ゆっくりと駆け寄った。鳴りやまない古田コールが、一段とボリュームを増す。高津とラミレスに背中を押され、フェンスに手をかけた。01年に日本一を決めたあの日のように、よじ登りフェンスをまたぐと、帽子を取って歓声に応える。もう涙を、隠すことはできなかった。
試合後のセレモニー。足跡をたどる8分間のビデオに涙が重なった。メガネの捕手として、経営者に立ち向かう選手会長として、そしてプレーイングマネジャーとして。18年間の思い出が胸に迫った。「心が折れそうになったり、弱気になったり、いろいろあったんですけど皆さんの声に支えられました。ありがとうございました」。ともに戦ってきた仲間たちの手で、5度、宙を舞った。
感謝の気持ちを忘れずに歩んできた。恩師の野村監督には「足を向けて寝られない」と漏らした。2000本安打を達成したときには、裏方さんや関係者にバカラのグラスをプレゼントした。自分と同じくメガネを愛用する両親が上京すると、店まで一緒に足を運び、新しいメガネを贈った。引退記念グッズを作製するにあたって、選んだ言葉は「18年間ありがとう!」。応援してくれたすべての人へ、心からのメッセージだった。
選手として数々の金字塔を打ち立て、選手会長としては球界史上初のストを決行した。29年ぶりに誕生した兼任監督としては低迷したが、野球人生にはまだ続きがある。「18年間、本当にありがとうございました。また会いましょう!」。グラウンドでの再会を約束して、不世出の革命児が現役生活に別れを告げた。
◆入場券 発売が開始された9月20日に、第1次販売分5000枚が約2時間で完売。翌21日に追加発売された2万枚も、即日完売となった。また、右翼自由席の列の先頭に並んだグループは1日から場所取り。最終的には、約8000人が3キロにわたって列をつくった。
◆グッズ グッズ売り場には長蛇の列。5日から発売された20種類の引退記念グッズは、5万点すべてがこの日までに完売した。そのうち2万5000点が、この日だけで売れる盛況ぶりだった。
◆警備 この日の警備は、最も厳重なA態勢を超える特別態勢。満員が予想される試合では通常330人程度の警備員が配置されるが、この日は約400人を配置し、不測の事態に備えた。それでも、室内練習場からクラブハウスへ戻ろうとした監督がファンに囲まれ、乗っていた自転車を警備員に託し走って脱出する一幕もあった。
参照元:スポーツ報知