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「投手・中田」がプロの世界で実現した。日本ハムの高校生ドラフト1巡目ルーキー・中田翔内野手(18)=大阪桐蔭=が15日、沖縄・名護キャンプでプロ初のブルペン入り。全53球のうち、前半は梨田監督を捕手役に、145キロ級の直球を次々と投げ込んだ。プロ入りをきっかけに、打者専念を決断した怪物だったが「『投げろ』と言われれば、投げたい気持ちはあります」と再びの“二刀流”に色気を見せた。
ついにこの時がやってきた。すべての練習メニューを終え、普段から使用する内野手用グラブを手にした中田が向かった先はブルペン。他に投手は誰もいない。「久しぶりッスね。けっこう、気持ち良かったッス」計53球。“独壇場”のマウンドで「投手・中田」が剛腕を振り下ろした。
指揮官の粋な演出に乗せられた。実戦もなく、のんびりムードが漂っていた中、梨田監督が怪物の元に歩み出た。「一塁、三塁、外野の特守ならどこがいい?」これに渋い表情を浮かべた中田だが「ブルペンはどうだ?」という誘いに「ブルペンで」と即答した。
そのブルペンでは、指揮官とバッテリーも組んだ。立ち投げ11球、座らせて10球。うなりを上げる白球と心地いいミット音に、梨田監督は「ナイスボール!」を連発。怪物は少し照れながら「あっざ~す!」と返した。中山ブルペン捕手に代わった後半は、スライダー、カーブ、パームと変化球も披露。「スライダーは高校の時と変わってなかった」と笑った。
マウンドに立つのは、昨年7月30日に夏の大阪府大会決勝で金光大阪に敗れて以来だが、最速はいきなり142キロを計測。スピードガンは最後の数球に構えたもので、球団関係者は「最初の方は144、5キロは出ていたのでは」と証言。MAX151キロで投手としても逸材だった中田は「最高142? 終わってますね」と苦笑したが、指揮官は「三塁から一塁に投げるよりも、ずっといい。不思議やね」と目を細めた。
ついに動き出した「投手・中田」。こうなると、本番での起用にも夢が膨らむ。かねてから交流戦対策として、ワンポイント起用のプランを掲げていた梨田監督は「投げることが励みになるなら、ニンジンをぶら下げることはある。それに、練習もしないでやるのは失礼やし」と今後のブルペン入りも示唆した。
プロ入りと同時に、打者専念を一度は決断した怪物も「『投げろ』と言われれば、投げたい気もします」と“二刀流”の復活に意欲をみせた。バットだけじゃない。105キロのボディーには、無限の可能性が詰まっている。
◆元祖二刀流は川上 「打撃の神様」と呼ばれた川上哲治(巨人)は、左投手として入団。39試合に登板して11勝を挙げている。237勝の野口二郎(セネタース、阪急)は登板しない時は一塁、外野を守った。永渕洋三(近鉄)は入団直後、代打で出場してそのままマウンドに登り、次には外野の守備に回るという離れ業も演じている。96年の球宴ではオリックス・イチロー(現マリナーズ)が登板。99年には阪神・新庄剛志が、キャンプで二刀流に挑戦したが断念している。ロッテの柳田将利は06年のキャンプで二刀流に挑戦。その後、投手に専念したが、今年から再び挑戦している。
参照元:スポーツ報知