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前巨人のジェレミー・パウエル投手(31)の獲得を巡って、オリックスとソフトバンクの仁義なき戦いが29日、ぼっ発した。ソフトバンクはこの日、同投手と単年契約の推定年俸1億円プラス出来高で獲得したと発表。昨年末から入団交渉を続け、今月11日に単年の年俸5500万円プラス出来高での獲得を発表していたオリックスは、まさかの“強奪”に怒りをあらわにし、パ・リーグ連盟に異議を申し立てた。事態を重くみた同連盟は30日に両球団の代表者を招集し、事情聴取を行うことを決定。両者とも正当性を訴えており、全面戦争に発展する様相を呈してきた。
怒りのあまり、声が震えていた。大阪市内のオリックス球団事務所で午後4時半から始まった緊急会見。中村勝広球団本部長(58)は「寝耳に水で、あ然としている。球界の暗黙の了解の根幹を揺るがす事態です」とパウエルを“強奪”したソフトバンクを批判した。
パウエルの契約について記者の質問に答える竹内孝規COO 突然のことだった。ソフトバンクはこの日の昼すぎ、オリックスが獲得を発表していた助っ人右腕の獲得を発表。竹内孝規・球団最高執行責任者(COO=47)は「グラウンドで真剣勝負をやっているように、我々も舞台裏で命がけの勝負をしている。(オリックス獲得の)報道をうのみにしないで、自分の目と耳で確認することを(国際部が)地道にやってくれたたまもの」と絶賛した。
しかし、オリックスは納得できるはずがない。この日の会見で、22日にファクスで届いたという、パウエル自筆のサインが入った統一契約書の“写し”を報道陣に披露。「もう一度、一緒に戦うことを楽しみにしている」と書き添えた書面のコピーを見せただけでなく、オリックス選手として日本滞在を法務省が認可した在留資格認定証明書を高々と掲げ正当性を訴えた。すでに兵庫・西宮市内の住居も決定しており、巨人時代の荷物も運び込まれている。
米国での2度のメディカルチェックで昨年に手術した右ひざに異常が見られたため、オリックスは慎重に最終交渉を進めていた。途中、ソフトバンクが獲得に参戦していることに気づき、パウエル側に連絡を取ったが、音信不通になったという。
「統一契約書に署名、捺印(なついん)を済ませている。日本で正式に支配下選手登録するためには、統一契約書(のサイン)は唯一無二」と言う竹内COOとは対照的に、中村本部長は「間げきを突かれた。(オリックスは)法的には契約に至っていない」と厳しい表情だった。
パ連盟は30日、両球団幹部を呼び、獲得までの経緯を事情聴取する。早急な事態収拾を図るが、紛糾は必至だ。「憤りを感じるし、(代理人のランディス氏への)法的手段も考えている」と中村本部長が吐き捨てれば、竹内COOは「オリックスからの提訴は想定していない。問題ないと思うから契約までやっている。交渉相手先(代理人)がそこは問題ないと言っている」と胸を張った。前代未聞の仁義なき戦い。一度燃え上がった炎は、そう簡単には収まりそうにない。
◆ジェレミー・パウエル(Jeremy Powell)1976年6月18日、米カリフォルニア州生まれ。31歳。94年にハイランド高からドラフト4巡目(全体の112番目)でエクスポズ(現ナショナルズ)に入団。2001年から近鉄に所属。02年には17勝を挙げ、最多勝、最多奪三振、最高勝率のタイトルを獲得。ベストナインに選ばれた。05年にオリックスへ。06年から巨人に移籍した。日本では通算161試合に登板し67勝59敗。防御率3・89。家族は夫人と1男。196センチ、104キロ。右投右打。
◆仮契約後は手出さない慣例 これまで外国人との契約は、統一契約書の「写し」にサインすることで仮契約とみなし、来日後に正式契約して連盟に提出するが一般的だった。その間、他球団は手を出さないのが慣例化していただけに、今回のソフトバンクの手法は極めて異例だ。パ・リーグの村田繁事務局長は30日の事情聴取について「大変な問題になると予想されるので、解決に向けてやっていこうということ」とコメント。双方とも関連書類を持参することになっており、書面と手続きの正当性が問われそうだ。
参照元:スポーツ報知