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◆オールスター戦 ナ・リーグ4―5ア・リーグ(10日・サンフランシスコ) マリナーズのイチロー外野手(33)が球宴史上初の快挙を成し遂げた。米大リーグの第78回オールスター戦がAT&Tパークで行われ、全アの「1番・中堅」で先発したイチローが逆転の2点ランニング本塁打を放ち、最優秀選手(MVP)に選ばれた。球宴での本塁打、複数安打は日本人選手で初。また、複数年でマ軍との契約延長に合意することが確実となった。年俸はAロッド(ヤンキース)、ラミレス(Rソックス)に続き、年平均2000万ドル(約24億2000万円)を超えそうだ。
イチローがまた歴史をつくった。球宴史上初のランニング本塁打。「実は僕(の野球人生)にとっても初めて。それがオールスターで出るなんてね」
記録は野球の神様のいたずらで生まれた。「(スタンドに)行ったかなと思ったんですけどね」1点を追う5回1死一塁、5番手ヤングの初球だった。内角低め直球をフルスイング。逆転2ランが右翼席に入ると確信し、全力疾走しなかった。予想に反して伸びない打球はフェンスに張られた球宴用の広告看板の角に当たり、追いかけるグリフィーの逆を突いて右翼線へ転がった。「疲れちゃってねえ、大変でしたよ。昨日も今日も走ってないから、走りこみ不足がたたるってことを、あの瞬間に痛感しました」慌てて快足を飛ばし、最後は余裕で本塁を駆け抜けた。
快挙は地元の英雄をも黙らせた。出場機会を終えて行っていたボンズの会見が自然に中断した。前日、「ここはボンズさんの街」と話していたイチローの一打で球場が興奮のるつぼと化した。
特別な思いが記録を呼んだのかもしれない。「大きな節目」と位置づけた7年目。オフにFA権を取得するシーズンに、自己最高の打率3割5分9厘で前半戦を折り返した。「こうやって7年目、違う(打撃)感覚をもってやってこられたこと、6年やったことの成果がようやく表れてきている自分に対しても、喜びを感じたオールスターでした」マ軍との契約延長も近く合意に達する見込み。3年ぶり3度目の首位打者も視野に入る。
実は試合途中で球場を去り、午後9時に予約したイタリアンレストランでディナーを楽しむはずだった。「(間に合わないので)帰ろうとしたら、MVPの可能性があるからって止められた。仕方なく残っていたんです。でも、不思議なもので最後まで残っていると、だんだん(賞を)欲しくなってきたんです」
1回の右前安打、3回の左前安打と合わせて3打数3安打の活躍。ア・リーグが負けても選ばれる可能性さえあった。「こういう形で獲得できたことは生涯忘れないでしょう」球宴での複数安打、本塁打は、もちろん日本人初だ。
会場を出ると、「おめでとう」と祝福する弓子夫人を右手で抱き寄せた。時計の針は9時42分を指していた。半ばあきらめながら閉店時間を過ぎたレストランへ。まだ開いていた。ユニホームを脱いでも、ヒーローはツキを手放さなかった。
参照元:スポーツ報知