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田淵ヘッドに背中を押され、星野監督が選手の輪に加わった。ウイニングボールを左手に握りながら3度、北京の夜空に舞った。阪神監督時代の2003年以来、4年ぶりの胴上げ。「若いヤツが頑張ってくれた。でも俺の体重で胴上げが3回では物足りんな」険しい顔に笑みが広がった。
金メダルがかかる一戦で闘将が動いた。6回、植村が賈に死球を与えると、マウンドでにらみ合った。乱闘に発展しそうな雰囲気を察知すると、即座にベンチを飛び出した。「興奮するな」諭すような口調でなだめたが、内心は怒りの炎が燃えさかっていた。
「一塁のけん制の時、あいつ(賈)は2度もスパイクした。あれで火がついたわ」初回に右前安打で出塁した大塚と、5回に併殺崩れで一塁に残った坂本に対する2度のラフプレー(ともにけん制死)に激高。ベンチで目をつりあげる姿にヤングジャパンが目の色が変わった。2回に打者9人で4安打を集中して逆転。投手陣も2回以降は得点を許さなかった。
03年10月に阪神の監督を勇退して以来の現場復帰。「リハビリ」と位置づけた今大会は厳しかった。合宿中の左手首痛に加え、ノックで痛めた右手親指にはテーピング。試合後も自室で本を読むと目を閉じていた。この疲れた体を支えたのが闘争心だった。「逃げ切る瞬間のイライラやドキドキが頭やハート、胃を駆けめぐる。(勝って)消えた時に快感になるんや」制球難の加藤を4回で降ろし、小刻みな継投でV。この日の試合はまさに理想的だった。
君が代を三塁ベンチで聴いた。「本番だったらいいな」と笑ったが、星野監督の視線は12月のアジア予選に向いている。「投手がしっかりしないとな。若い選手が手本を示してくれたし、弾みもつけてくれた。成果は100%以上や」3か月半後の大一番へ、星野ジャパンが最高のスタートを切った。
参照元:スポーツ報知