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◆セCS第2S・第2戦 巨人4―7中日(19日・東京ドーム) 迷うことなくその名を告げた。2点リードの8回2死一塁。ベンチからゆっくりと出てきた落合監督は、ピッチャー岩瀬をコールした。一発出れば同点の場面で打者は二岡。右打者でも岩瀬への絶対の信頼は揺るがない。守護神左腕が姿を現すと、東京ドームからはあきらめにも似たため息が漏れた。

 指揮官のタクトがさえ渡った。シーズン中は“静”の落合監督が、序盤から激しく動いた。同点の4回だ。1死一塁で打者は投手・川上の3球目。三塁手・小笠原が送りバントと決めつけ、極端に前進するのを見逃さず、エンドラインのサインを出した。

 「そんなにバッティングは悪くないのでね」と指揮官。見事にバスターを成功させてチャンスを広げると、荒木が左中間へ勝ち越しの適時二塁打。さらに二、三塁。カウント0―3から井端に強攻させ、左犠飛でリードを2点に広げた。

 中盤にリードを奪い、主導権を握るともう離さない。今度は、本来の落合野球でじわじわと巨人を追いつめた。7回無死二塁では中村紀にバント(記録は犠打野選)させ、手堅くチャンスメーク。李炳圭の右中間を破る2点三塁打などでこの回、3点をスコアボードに刻み込んだ。その裏、ホリンズの3ランで再び2点差にされたが、プランに狂いはなかった。

 「本来はこういう使い方はしたくないけど、勝たないといけないゲーム。(本人も)理解してくれてると思う」最後はクライマックスシリーズ4試合目で、早くも3度目のイニングまたぎ登板となった岩瀬が、しっかり締めくくった。

 前日(18日)は左腕・小笠原を先発させる“奇襲”で先手を取り、この試合は積極采配で連勝。日本シリーズ出場に王手をかけた。それでも、落合監督の表情には、少しの油断も浮かんでいなかった。「明日のことだけ考えたい」一戦必勝を肝に銘じ、目の前の戦いに集中する。

参照元:スポーツ報知

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