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投手最高の栄誉に、ダルビッシュは思わず表情を緩ませた。「最多勝とか、(最優秀)防御率とか、どの賞よりも自分の中ではうれしいですね」球団史上初の沢村賞。そして、1993年の中日・今中以来、14年ぶりに7つの条件項目すべてを満たした右腕は、素直に喜びを口にした。
同世代のロッテ・成瀬、西武・涌井らを抑えた。決め手は、両リーグ最多となる12の完投数だった。3完投に終わった昨年は「7回くらいから肩が緩くなったり、痛くなった」と振り返るが、今年はキャンプ、シーズン中とウエートトレを継続し、肉体を強化。「ムチャクチャ体力があって、鉄人みたいな人が取るものだと思った」という栄冠を射止めた。
高卒の入団3年目での受賞は、01年の西武・松坂(現レッドソックス)以来。海の向こうで“平成の怪物”が世界一となったこの日、新世代のエースが肩を並べた。それでも、今は日本シリーズを戦っている最中。ダルビッシュは「これで(次回登板に)心境が変化することはない。今まで通り、試合を作っていきたいです」とすぐに切り替えた。沢村賞の余韻に浸るのは、2年連続の日本一を決めてからでいい。
◆成瀬と一騎打ち 最後は日本ハム・ダルビッシュとロッテ・成瀬の一騎打ちだった。西武・涌井、ソフトバンク・杉内、ヤクルト・グライシンガーと5人がノミネートされたが、土橋委員長は「2人とも素晴らしい投手。競馬でいえば鼻の差、写真判定みたいなものでした」。今季の成瀬は防御率と勝率のタイトルを獲得。一時は03年の阪神・井川、ダイエー(現ソフトバンク)・斉藤和以来のダブル受賞も考えられた。
議論の末、選考委員が評価したのは、ダルビッシュが7項目の基準をすべてクリアしたことだった。「防御率と勝ち星はわずかに成瀬に足りなかったが、奪三振数と完投数で上回ったダルビッシュの受賞で、最後は全員一致となりました」と土橋委員長。
【沢村賞】プロ野球創成期に巨人のエースとして活躍し、その後、太平洋戦争で戦死した沢村栄治投手を記念して1947年に創設された。セ・パ両リーグの優秀な先発完投型の投手を対象とし〈1〉15勝以上〈2〉奪三振150以上〈3〉完投10試合以上〈4〉防御率2・50以下〈5〉投球回数200イニング以上〈6〉登板回数25試合以上〈7〉勝率6割以上―を基準として選考委員会(沢村賞受賞者あるいは同等の成績を挙げた投手で現役を退いた5人で構成)で決定する。
参照元:スポーツ報知