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◆ロッテ0―3ソフトバンク(5日・千葉マリン) ソフトバンクの黄金ルーキー・大場翔太(22)が、16奪三振で今季2度目の無四球完封を飾った。1990年の近鉄・野茂(現ロイヤルズ)が記録した17奪三振の新人記録には1つ及ばなかったが、球団記録を塗り替える快投。7連続を含むプロ野球史上3人目の全員奪三振でチームを首位タイに導いた鉄腕が、新人王へ一直線に突き進む。
鼻歌すら聞こえてきそうな、悠々の132球だった。ロッテの強打者がムキになって挑んできても、大場には状況を楽しむ余裕すらあった。「三振の数はマウンドでも分かっていました」と、いつものポーカーフェースで自慢の直球を投げ込み、クルリクルリと切って取る。9回2死、西岡を右飛に仕留め、ようやく白い歯がこぼれた。
先月23日の楽天戦(ヤフーD)で無四球完封デビューを飾ったルーキー右腕が、またも大仕事をやってのけた。初回2死一塁からの7連続を含む全員からの16奪三振は、前身の南海時代の40年・清水が持つ15三振を超える球団新記録。90年の野茂の持つ新人記録の17三振に肉薄する快投だ。
天までもが背番号17に味方した。千葉マリン特有の強風を受け、最速146キロの直球は回転数を増し、変化球も大きく揺れた。里崎に2本、左翼ポール際への大飛球を許したが、いずれも風に押し戻されてファウル。八千代松陰高(千葉)時代は「あまりいい思い出はなかった」球場だが、この日ばかりは“神風”が吹いた。
負ければ貯金がなくなる危機を救った快投に、王監督からも「攻めの投球の典型で、最高の投球だった。完ぺきだったね」と絶賛の嵐だ。先月30日の西武戦(西武D)では3被弾で7回5失点。揺らぎかけた信頼を、再び不動のものとした。
ヒーローインタビュー後、新人らしい初々しさを見せた。鷹ファンが待つ左翼席にサインボールを投げ入れ、内野席のファンとはハイタッチ。通常ではあり得ない敵地でのウイニングランも、抜群の内容と笑顔で許されてしまう。成し遂げた事実の大きさを理解していないのか「球団記録? そうなんですか。うれしいです」とポーカーフェースだった。
「三振を取るより、点を入れさせない投球を続けていきたい」と無欲を強調したが、昨年、東都大学リーグ新記録の410奪三振を樹立した片りんを早くも披露した鉄腕。新たな「ドクターK」伝説が、華々しく幕を開けた。
◆大場記録メモ
▼…ルーキーの大場(ソ)がロッテの出場した9人の打者全員から三振を奪った。全員奪三振を記録したのは延べ10チームあるが、1人の投手でマークしたのは、04年の松坂(西)、05年の川上(中)に次いで大場が3人目になる。一方、ロッテは全員三振を喫したのが、3度目で日本ハムと並び最多になってしまった。
▼…大場は16奪三振をマーク。1試合16奪三振以上は、19の野田(オ)をはじめ、16人目(18度目)だが、新人では、90年の野茂(近)の17個に次ぎ、80年木田(日)、93年伊藤(ヤ)に並ぶ記録だ。
▼…大場は1回のオーティズ(ロ)から、7人連続で三振を奪った。連続奪三振のプロ野球記録は、57年梶本隆夫(阪急)、58年土橋正幸(東映)が記録した9打者連続だが、新人で7人以上続けて三振を奪ったのは、62年尾崎行雄(東映)、90年潮崎哲也(西)の8人連続、03年の和田(ダ)、久保(巨)の7人連続に次いで大場が5人目だ。
▼…無四死球完封勝利の大場は、3月23日の楽天戦でも無四死球完封。2リーグ制となった50年以降、新人が4月までに2度の完封勝利をマークしたのは、06年平野佳(オ)以来9人目になるが、無四死球の完封を2度となると、大場が初めてだ。
参照元:スポーツ報知