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粘った。最後まであきらめなかった。決定的な3点を奪われても、闘志は失わなかった。12回、1点差まで追い上げ、なおも2死二塁と一打同点のチャンス。最後は鈴木尚が遊ゴロに倒れたが、阪神ベンチは肝を冷やしたに違いない。負けても、ただでは転ばない。「こういう戦いをしっかりやっていれば、勝ちというものも来ると思う」原監督は決して悲観的になることなく、言葉に力を込めた。
次につながる死闘だった。しびれるような総力戦が動いたのは12回。桜井の中越え3ランで勝ち越された。致命的なリードを許したが、今季の巨人は、これで終わらない。2死から二岡が右中間二塁打で出塁し、続く阿部が執念の中前適時打。さらにこの日、1軍に登録されたばかりの代打・小田嶋が中越えの適時二塁打。3連打で1点差まで迫った。「集中力を持って戦ってくれた」と指揮官。5時間19分の今季セ最長の戦いは、最後まで勝利の行方が分からなかった。
今季初の5連敗を受けて、可能な限りの策を練った。不振の続く李承ヨプを移籍後初めて登録抹消。4番にはチームトップの20本塁打と好調の高橋由を起用した。阿部の4番復帰も検討されたが、リードや主将としての役割に専念させるため、6番から動かさなかった。開幕から高橋由と谷で固定してきた1、2番には、谷と木村拓を、「8番・一塁」に大道を置いた。野手8人の平均年齢は前日の30・8歳から32・9歳に上がった。連敗ストップはベテランの手に託された。
負担の減った阿部は投手陣を好リードし、最少失点で延長戦まで突入した。昨年の最終戦以来の4番復帰となった選手会長は4四死球と後ろにつないだ。7回の遊ゴロの際には気迫のヘッドスライディングを見せ、チームを鼓舞した。「最善策? そうですね。理想のことを追いかけてもね」原監督は開幕からこだわってきた打線をあえて動かし、首位陥落の危機に立ち向かった。
6連敗で貯金は10に減った。しかし、中日も負けたため1ゲーム差は変わらず、かろうじて首位を守った。伊原ヘッドコーチは「打順? 当分続くでしょう」と説明した。総力戦は続く。今は我慢するしかない。耐え抜けば必ず道は開ける。
参照元:スポーツ報知