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◆ヤクルト5―6巨人(11日・神宮) 食い入るように、雨の降りしきるグラウンドを見つめていた。右肩にアイシングを施した木佐貫は、ベンチで祈っていた。「チームが勝ってくれ、それだけを思っていました」願いはかなった。ハイタッチを交わした上原からウイニングボールを渡されると、ようやく表情を緩めた。
悪夢は8回に始まった。完封ペースから一転、3安打を浴びて2点を失った。なおも2死一塁のピンチで豊田にスイッチ。9回、守護神が1点差まで迫られると、ベンチで生きた心地がしなかった。「本当に豊田さん、上原さんには感謝です。9連戦の頭だったので、欲を言えばもっと投げたかった」。初回、1球を投げた直後に雨が強まり、12分間の中断というアクシデントに負けなかった。だが、最後に悔いの残った104球。反省の弁ばかりが口をついた。
自らの言葉で、折れそうになる心を奮い立たせてきた。05年9月に右肩を手術し、翌06年は勝ち星なし。復活を期した今年、控え目な男がオフからビッグマウスを連発した。「目標は15勝です」と、開幕1軍すら約束されていない右腕が、繰り返した。「あの時は正直、先発ローテに入って投げている今の自分をイメージできなかった。でも、何かを変えなきゃいけないと思っていました」プロの世界で生き抜くために、自分の殻を破った。
ラストスパートに入った。広島遠征中の8月26日、木佐貫は三塁でノックを受け、一塁へ強く送球する練習を始めた。右肩に負担のかかるメニューだが「ギアをもう1段階上げないといけないんで」と、自分を追い込んだ。優勝争いが激しさを増す中、8月29日のヤクルト戦(札幌ドーム)から3連勝で、高橋尚、内海と並びチーム最多の12勝目。元新人王は右の柱に成長した。開幕前は誰にも信じてもらえなかった15勝の誓い。木佐貫はあと3つ、勝ちに行く。
参照元:スポーツ報知
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