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うれしかった。心の底から感情がわき上がってきた。いつもは淡々とダイヤモンドを一周する小笠原が、喜びを爆発させる。打球が左翼席に吸い込まれるのを確認すると、両手をポーンと1回たたいた。連敗ストップを大きく引き寄せる9試合ぶりの20号2ラン。「久しぶりに仕事ができました」打点も9試合ぶりとなった一撃に、声も弾んだ。
貴重な追加点をたたき出した。1点リードの3回1死二塁。大竹の外角低めのフォークに手を伸ばした。難しいコースにもスイングの軸はまったくぶれない。3年連続8度目の20号到達。「打撃の調子? 分からない。今が踏ん張りどころなので、なんとかしようの一言」まさに気持ちで運んだ一発だった。7回無死一塁の守備では三遊間の鋭い当たりを好捕して併殺に。攻守でチームを引っ張った。
勝負はガッツのバットに託された。2軍に降格した李承ヨプに続き、絶好調の高橋由まで右足首痛で欠場した。「(2人に)なるべく責任を感じさせないように、みんなでなんとかしようと戦った」打順が激しく入れ替わる中で、不動の3番打者にかかる期待は大きかった。
開幕から全81試合に先発出場しているが、体調は決して万全ではない。首脳陣の判断で休日練習を免除されたこともある。下半身を中心に疲労が蓄積しているうえ、前日(12日)の阪神戦では右足首に自打球を当てた。それでも弱音は吐かない。「痛いと思うから痛いんだ。相手に弱みを見せてどうする」強い信念のもとに“鉄人”は戦っている。
体のケアには人一倍気を使う。遠征先の宿舎のエレベーターホールでストレッチし、宿泊客を驚かせたこともある。一方で、打席に入る際にはひじ当てやレガース、リストバンドは着けない。「一度もしたことがないからね」故障につながる可能性がある死球や自打球はもちろん怖い。しかし、打撃感覚が狂うことはもっと怖い。試合ではけがを恐れず、プレーを続けている。
値千金の一発に、原監督は「あの2点がチームとして優位な状況で戦えるシチュエーションにしてくれた」と惜しみない賛辞を贈った。それでも、試合後のガッツに安どの表情はなかった。「ヤマ場はまだ先にもある。ホッとせずに、しっかり足を地につけて戦っていきたい」昨季の優勝経験者だからこその説得力ある言葉。さらなる厳しい戦いに全力で挑む。
参照元:スポーツ報知