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◆巨人4x―3ロッテ=延長10回=(6日・東京ドーム) ルーキーの加治前が、ドえらい大仕事をやってのけた。同点の延長10回1死で迎えた初打席で、G党の待つ右翼席へ劇的な1号アーチ。プロ初打席でのサヨナラ本塁打はプロ野球史上初の快挙だ。先発・野間口の乱調で3点を先行される苦しい展開も、山口、越智ら若手リリーフ陣の好投で流れを引き寄せ、今季初のサヨナラ勝ちに結びつけた。突然、飛び出したニューヒーローが、再び3位に浮上した原巨人を一気に上昇ムードへと導く。
何が何だか分からない。加治前はとにかく全力で走った。原監督、阿部らは、ベンチから身を乗り出し、G党も立ち上がって打球を追った。右翼席中段に吸い込まれたサヨナラ弾に球場が大歓声で揺れた。ホームベース上で待つナインの輪に飛び込むと、ユニホームをめちゃくちゃにされた。「何も覚えてないんです」と振り返ったが、両手は自然と天に突き上げていた。
大仕事をやってのけた。10回表から右翼の守備につき、その裏の1死。「思い切っていけ」と原監督にゲキを飛ばされ、プロ初打席を迎えた。カウント1―1、左腕・川崎のツーシームをサヨナラ1号ソロに変えた。プロ初打席でのサヨナラ弾はプロ野球史上初の快挙。「大学2年からです」という丸刈りの頭で立ったお立ち台で「信じられないです。こんな観衆の中でやったことなかったので」とファンの笑いを誘った。
「緊張はなかった。メークチャンスと思ってたんですけど」と、つなぐ意識が力みのないスイングを生んだ。東海大からドラフト4巡目で入団後、プロの投手のスピードやキレ味に驚いた。右方向に強い打球を飛ばす長所は影を潜めていた。バットをひと握り余す工夫をし、イースタンで4本塁打したが、すべて左方向だった。しかし、1軍での初打席で自分の持ち味である右方向へ強い打球を披露。「練習で気を付けていたことができた」。ウエートトレーニングの成果でプロ入りから4キロ増した83キロの体が誇らしげだった。
2日には、神戸の室内練習場で、大学の先輩でもある原監督から「下半身の使い方やバットの出し方」をマンツーマンで指導された。「自分を助けるのは技術だぞ。そういうのを心構えとして持て」ともゲキを飛ばされて、自信に変えた。
悔しさもバネにした。今年、広島に3巡目で入団した小窪哲也内野手の存在だ。奈良県の実家が近く、小さいころから親交が深かった。正月にも一緒に自主トレを行い「どっちが先に1軍に上がれるか勝負だな」と健闘を誓い合った。その勝負には負けた。しかし、焦らず努力を重ね、だれにも負けないインパクトのある一打を放った。
今季初のサヨナラ勝利でチームは3位に再浮上した。原監督も「いろいろ見てきたが、感動的だった。素晴らしいですね」と興奮を隠せない。報道陣に「史上初? 史上初?」と聞き返し、最後も「史上初?」とまな弟子の快挙に3度、目を丸くした。待望のニューヒーローの誕生で、今度こそ流れは変わる。
巨人・原監督「加治前はドでかいことをしてくれた。感動的で素晴らしかった。彼にとってもチームにとっても大きな一打。プロ野球人生においてもいいきっかけになるでしょう。リリーフ陣もよく頑張った。山口、越智が流れを変えてくれた。あす以降も全員でどんな敵がきても戦っていきます」
参照元:スポーツ報知