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◆西武・南郷キャンプ(12日) WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表候補のレッドソックス・松坂大輔投手(28)が12日、高校(横浜高)の後輩、西武・涌井秀章投手(22)から推定飛距離135メートルの特大弾を放った。西武キャンプに参加後、初めてフリー打撃に「打者」として参加。28スイングで13本のサク越えをマークするなど「打者・松坂」としての才能を見せつけた。初の実戦登板となる13日の紅白戦を前に、バットで周囲のド肝を抜いた。

 キャンプ地・南郷のサブグラウンドに快音が響いた。大きな弧を描いた白球が、次々と左翼後方の土手に突き刺さる。打っているのは中村でも、G・G・佐藤でもない。松坂だ。後輩・涌井が投手役を志願して実現した豪華なフリー打撃。本気の投球ではなかったかもしれないが、野手顔負けの打球をかっ飛ばし続けた。

 「ワク(涌井)が打ちやすいボールを投げてくれましたから」と謙そんしたが、28スイング中、13本が外野に張られたネットを越えた。最長飛距離は推定135メートル。「(横浜高の同級生の)後藤武(敏)より飛んでたでしょ? 昔からそうなんですよ」満面に浮かんだ誇らしげな笑みが、充実感を物語っていた。

 「ボストンのキャンプではできないので、一度打ててよかった」レッドソックスではキャンプ中、投手の打撃練習は禁止されている。それだけに気分はそう快。「ない。絶対ない。そういうつもりでやってませんから」WBCでの“イチロー投手起用案”に対抗して、報道陣から代打出場の可能性を問われるほど、豪快な“アーチショー”。首脳陣が本気でバットを持たせたい、と考えるかもしれない打球ばかりなのだから、無理もなかった。

 13日の紅白戦では今キャンプ初の実戦登板に臨む。「大事なのは結果より内容。ピッチを上げるのは代表に合流してから。6、7割の力で、形に気をつけて投げたい」球数は45球程度が予定されており、「お互い仕上がりを確認する大事な機会」と、涌井とともに打者相手の投球感覚を体に思い出させる。

 13日の天気予報は昼過ぎから雨だが、WBC組の調整を最優先させるため、球団は練習メニューを変更してでも紅白戦を実施するつもりでいる。練習の締めは涌井と宿舎までの約4キロをランニング。バットを振ることが何より大好物の右腕にとって、フリー打撃は登板前の最高のリフレッシュになったようだ。

 ◆松坂とバッティング 横浜高時代から定評があり、通算10本塁打で4番を務めていた時期もあった。高校3年夏(98年)の甲子園では、鹿児島実・杉内(現ソフトバンク)から本塁打を放っている。プロ入り後は00年8月7日、対オリックス戦(当時GS神戸)の9回、2死満塁から代打で中前2点適時打を記録。06年の交流戦、対阪神戦ではダーウィンから甲子園の左中間へ2ランを運んだ。Rソックス移籍後は07年のワールドシリーズ第3戦でメジャー初安打となる左前適時打を放ち、レ軍投手では1918年のベーブ・ルース以来の1試合2打点をマークした。代理人を務めるスコット・ボラス氏は「野手としても十分通用する」と遊撃手への転向を勧めたほどだ。

参照元:スポーツ報知
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