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◆第80回選抜高校野球大会最終日 沖縄尚学9―0聖望学園(4日、甲子園) 沖縄尚学が沖縄勢として春、夏通じて初優勝した1999年のセンバツ以来、9年ぶり2度目の頂点に立った。“ハイサイ王子”ことエース右腕・東浜巨(なお=3年)が聖望学園(埼玉)を6安打に抑え、今大会2度目の完封。決勝では98年の横浜・松坂大輔(現レッドソックス)以来のシャットアウトとなった。就任3年目、甲子園初采配の比嘉公也監督(26)は33年ぶりに投手、監督の両方で頂点に立った。
球場全体が歓喜の瞬間を待ちわびている。9回2死、カウント2―0。東浜の130球目となるスライダーに、聖望学園・田中信之助のバットが空を切った。両手を天に突き上げ、何度もジャンプするエースに、沖縄尚学ナインが駆け寄った。
「締めは自分だと思ってました。全国制覇が目標だったのでうれしい」9年前と同じように、三塁側アルプスからわき起こったウエーブが球場全体を巻き込んでいた。あの時と同じ4月4日に2度目のVを決めた。
初体験となる3連投のマウンドだったが、打線が強力に援護。初回から猛攻を見せ、5回までに9点を奪った。「初回の1点が大きかった。完封? 最初から狙ってました」大量リードに乗って、コースを丁寧に突き、打たせて取る投球がさえた。今大会NO1右腕は98年春、横浜・松坂以来となる決勝戦完封で大会を締めくくった。
驚異的なスタミナは先輩への思いが生んだ。昨夏の沖縄大会準決勝。2年生エース・東浜は熱中症で途中降板し、チームも敗れた。その前年秋、東浜の同級生部員が絡んだ暴行事件で出場停止となり、センバツへの道を閉ざしてしまっただけに、どうしても先輩を甲子園に連れていきたかった。新チーム結成後、その無念を晴らしたい一心で一日も欠かさず投球した。
甲子園V投手の比嘉監督は細かい技術指導はしなかった。「気持ちで投げろ」「沖尚のエースとしての自覚が足りない」。精神論ばかりで物足りなさを感じることもあった。だが、準々決勝の天理戦で左ひざを打撲。痛みに耐えて投げ続け、気力の大切さを初めて実感した。
「ようやく比嘉先生に並ぶことができました」センバツを制して、尊敬する大先輩に追いついた。「大会を通じてたくましくなった」と比嘉監督も目を細めた。戦いは新たな舞台に移る。指揮官を超える春夏連覇を目指し、「夏が勝負です」と東浜は力強く言いきった。
◆沖縄尚学(那覇市)1957年、沖縄高として創立した私立共学校。83年、現校名に改称。普通科のみで特進、国際文化科学、スーパー特進、体育コースに分かれている。生徒数は1104人(うち女子466人)。野球部は創立年に創部。部員数57人。春は今大会で4度目、夏は5度、甲子園に出場。OBに安仁屋宗八(元広島)、真喜志安永(日本ハムコーチ)、比嘉寿光(広島)など。
◆トルシエ氏観戦 ○…元サッカー日本代表監督で、JFLのFC琉球のフィリップ・トルシエ総監督(53)がアルプス席で初観戦した。「沖縄にとって一大行事。一体感を感じるし、すごくうれしい。沖縄県民が野球と同じようにサッカーを応援してほしい」と興奮。一方的な試合展開に「3人ぐらいスカウトしたい。西銘は興味深い」とジョークもさえていた。
参照元:スポーツ報知