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◆巨人1-2阪神(8日・東京ドーム) 岡田阪神が怒とうの9連勝、今季初めて単独首位に立った。先発・安藤が、6回を李のソロ1本に封じる1安打1失点ピッチング。7回に伏兵・葛城の2号ソロで勝ち越すと、9回も守護神・藤川が無死二塁のピンチから後続をピシャリと断った。巨人が96年に演じた「メークドラマ」を超える、最大12ゲーム差からの奪首劇。大どんでん返しのドラマ、主役は猛虎だ。
熱いものがこみ上げてきた。多くの誤算、多くの挫折を乗り越えて、ついにこの瞬間がやってきた。藤川の顔に広がった笑みに負けないくらい、岡田監督の笑顔も少年のようにあどけなかった。やっとたどり着いた今季初めての単独首位。それは手に汗握る1点差逃げ切りと、まさに岡田野球の「神髄」だった。
「首位? そら、意識はみんなどこかにあったと思うけど、残り二十数試合、何が起こるか分からないし、最後までやっていきたい」会見では明らかに声が上ずっていた。だが、試合後の興奮とは裏腹に、指揮官は0・5差で迎えたこの大一番に冷徹かつ巧妙な“ワナ”を仕掛けていた。
前夜(7日)に7発の花火を打ち上げたG打線を、5回までパーフェクトにねじ伏せたのは右肩故障が癒えて2度目の先発だった安藤。「何でか知らんけど、5番に(右打者の)二岡が入ってたからな。よかったわ」先発を左の下柳と読んだ敵将をあざ笑った通り、巨人の得点は完全試合を打ち砕いた6回の李のソロだけ。9月に限れば2005年から6連勝中だった安藤の力に懸け、昨年10月12日の中日戦(甲子園)以来331日ぶりの白星を飾らせた。
ウィリアムスが左ひざの違和感でベンチ入りを外れたこの日、1点リードの7回は江草、渡辺を投入した。「あそこは迷いなく江草。ウィリアムスがおらんかっても、江草と渡辺でいける」この思いに2人もゼロ封で応えた。思えば今、チームには井川も今岡も林もいない。それでも桜井、葛城、高橋光ら、指揮官が期待し抜てきした男たちがことごとく活躍。信頼で人を動かし、6月29日の時点にあった、首位・巨人との12ゲーム差を吹き飛ばした。
安藤は感無量の表情で言った。「けがで出遅れて、やっと貢献できた」と。これで昨年9月以来の9連勝で貯金は今季最多の14。追う立場から、追われる立場で挑む残り22試合。クライマックスシリーズ進出マジックも15としたが、目指すは優勝だ。「ここまで来たら気持ちよ」と岡田監督。栄光のゴールテープだけを見つめ、最後の気力を振り絞る。
参照元:スポーツ報知